Wi-Fiの強さだけでドックの住所は決まりません。ナオは機械が安全に出て戻れる道と、家族の通路を邪魔しないことを先に確かめます。
候補地は、六つの条件を上から順に通す
ドックを隠せる場所から探すと、帰還のたびに扉を開けたり、手入れのたびに引き出したりする作業が増えます。候補を二、三か所挙げ、次の順で確認します。一つ目から満たせない場所は、その先を採点しません。
| 順番 | 条件 | 候補から外す例 |
|---|---|---|
| 1 | 乾いた平らな床 | 水場、熱源、傾き、柔らかいマットの上 |
| 2 | 常時使える適切な電源 | コードが通路を横切る、抜き差しが日課になる |
| 3 | 機種指定の前・横・上の余白 | 家具の隙間、ふたやタンクを開けられない棚下 |
| 4 | 閉じない帰還経路 | 普段閉まる扉、鋭い曲がり、階段や段差の近く |
| 5 | 人が手入れできる姿勢 | しゃがめない、袋や汚水を安全に運べない |
| 6 | 必要な通信 | 初期設定・更新・日常機能に必要なWi-Fiが届かない |
自動給排水型や大型ドックは、床、配管、排水、設置工事の条件が増えます。一般的な表だけで設置せず、購入前にその機種の説明書と施工条件を確認します。
余白の数字は、必ず自分の機種から写す
メーカーの公式案内でも、硬く平らな床、壁に沿った設置、ドック周囲の空間などが示されています。ただし、必要な前面・左右・上部の寸法は機種やドックで異なります。他社や別機種の数字を共通基準にせず、自分の取扱説明書から三方向の寸法を紙へ写します。
床へ恒久的なテープを貼る必要はありません。仮置き中だけ箱やメジャーで必要範囲を示し、椅子、扉、収納の引き出しと重ならないか見ます。ドック上部から袋やタンクを抜く機種では、横幅だけでなく上へ持ち上げる空間も必要です。
帰還線は、ロボットの低い目線で往復する
候補地から最初に使う部屋まで歩き、低い障害、細い家具脚、段差、敷物、曲がり角、毎日開閉する扉を記録します。人には広く見える通路でも、ドック正面で椅子を引く、買い物袋を置く、洗濯かごを仮置きする習慣があれば、帰還時だけ狭くなります。
コロの「ピ。電波は届いても、曲がり角が狭いと帰れません」は、この順番を思い出す合図です。20分の導入前チェックの赤・黄・緑マップへ、ドック候補と往復線を書き足します。
避難経路、階段の端、水や熱の近くは、帰還できそうでも候補にしません。電源コードもロボットの進路や人の通路へ出さず、余ったコードは説明書に従って固定・収納します。
空の機械で、手入れ動作を一度実演する
常設前に、袋、タンク、トレイ、ブラシなど日常的に触る部品を外す姿勢を試します。ふたを最後まで開けられるか、壁や棚へ手をぶつけないか、汚水やごみを持って流し・ごみ箱まで歩けるかを見ます。
目立たない場所でも、毎回ドックを引き出す、上の物を片づける、床へ膝をつく必要があるなら、手入れ時間を増やす配置です。大型ドックは自動ゴミ収集ドックの手入れの作業を実際の候補地で想像し、必要な余白を残します。
Wi-Fiは「強さ」ではなく、必要な操作が完了するかを見る
最後に、初期設定、更新、地図、予定、遠隔操作のうち、何がネット接続を必要とするかを説明書で確認します。候補地にスマホを置くだけで結論を出さず、公式アプリで設定と更新確認が完了するかを見ます。製品によっては、本体が帰還する経路の通信条件も異なるため、メーカー案内を優先します。
通信が弱い場合、すぐドックを物理条件の悪い場所へ移すのではなく、ルーター位置や必要機能を見直します。接続機器の更新とアカウント管理は家庭IoTの更新確認へ分け、ここでは配置に必要な通信だけを確認します。
普段の家の状態で3回帰還してから常設する
候補地を決めたら、説明書どおりに仮置きし、在宅中に短い範囲から3回帰還させます。1回目だけ椅子や荷物を特別に片づけるのではなく、普段の扉、照明、家具、生活時間に近い状態を含めます。
記録するのは「戻れた/戻れない」だけではありません。ドック前で探し直した、家具へ繰り返し当たった、人が荷物を動かした、充電接点へ正しく乗らなかった、という介入も書きます。3回のどこかで人が助けたら、余白または経路を一条件だけ直して、もう一度3回を数えます。
毎回帰還し、人の通路を塞がず、手入れと通信も無理がない場所になってから常設します。ドックは電波の点ではなく、機械が戻り、人が整え、また出発する小さな作業場所です。