ロボットの稼働時間は、そのままナオの自由時間ではありません。準備、救助、手入れを引いた「戻り時間」を測り、平日10分の予算を超えない範囲へ縮めます。
運転時間を、そのまま戻った時間にしない
ロボットが30分動いたからといって、30分が自由になったとは限りません。床を片づけ、途中で呼び戻され、終わった後にごみや水を処理していれば、人の作業は残っています。逆に、運転が長くても、その間ずっと別の家事や休息に移れたなら、機械の運転時間そのものは負担ではありません。
ナオの「動いている30分は自由でも、毎晩ブラシに10分なら、別の家事が増えている」は、この区別です。比べるのは製品の稼働時間ではなく、同じ範囲を手作業でする時間と、人が実際に関わった時間です。
見えない作業を四つの箱へ分ける
最初の7日だけ、次の四分類で開始から終了までを測ります。1分未満はまとめて1分でかまいません。
| 箱 | 含める作業の例 |
|---|---|
| 運転前 | 床の片づけ、タンクの準備、アプリ設定、機械の移動 |
| 運転中 | 停止場所への移動、巻き込みへの対応、見守り、復帰操作 |
| 運転後 | ごみ捨て、汚水処理、部品のすすぎ、床の拭き直し |
| 定期・突発 | ブラシ、フィルター、センサー、ドック、消耗品の確認と注文 |
専用の記録アプリは不要です。「火曜/準備3分/救出4分/後処理5分/停止=机左コード」のように、1回を1行で残します。一週間の試運転計画と同時に記録すれば、別の作業を増やさずに済みます。
安全手順は説明書、頻度は家での実測
ブラシ、フィルター、センサー、タンクは、機種により洗える部品、使える道具、乾燥時間、交換周期が異なります。電源を切る手順、部品の外し方、乾燥後に戻す条件は、必ずその機種の取扱説明書を正本にします。
メーカーのケア表でも、フィルター、ブラシ、センサー、充電端子に別々の頻度が示される例があります。ただし、その数字を別機種へ移さず、説明書の頻度を予定表の初期値にして、毛、砂、床面積、運転回数に合わせて実測します。
電池や充電器は、手入れ時間や価格を減らすために安全条件を変える項目ではありません。NITEは掃除機用の非純正バッテリーや指定外の充電器に関する事故に注意を促しています。交換品は説明書とメーカー案内で適合を確認します。
毎月と突発の作業も週予算へ直す
7日分はそのまま合計し、月1回の作業は4で割り、3か月に1回なら12で割って週間平均に加えます。消耗品の注文や、月に一度起きる復旧も、頻度が低いからゼロにはしません。
たとえば、次の週ならこうなります。
| 作業 | 計算 | 週平均 |
|---|---|---|
| 毎回の準備と後処理 | 3分 × 週5回 | 15分 |
| 週1回のブラシ確認 | 10分 × 1回 | 10分 |
| 月1回のセンサー・ドック確認 | 20分 ÷ 4週 | 5分 |
| 停止対応 | 5分 × 2回 | 10分 |
| 合計 | 40分 |
同じ床を手作業で行う時間が週90分なら、正味で戻る時間は 90分 − 40分 = 50分 です。自動ドックを使う場合もゼロ扱いせず、袋、給水、汚水、洗浄部の作業を自動ゴミ収集ドックの手入れとして測ります。
分数のほかに「中断」と「触れたくない作業」も残す
同じ10分でも、週末にまとめられる10分と、夕食中に5回呼ばれる10分では負担が違います。記録の横へ「まとめてできた/作業を中断した」を一語だけ添えます。また、重い物を動かす、腰を曲げる、ほこりや汚水へ触れるといった身体負担が減ったかも、時間とは別に丸を付けます。
時間がほとんど戻らなくても、避けたい作業への接触が減るなら導入価値は残ります。反対に、分数は少なくても毎回家族を呼び出すなら、運転範囲や時刻を見直す理由になります。
続ける・狭める・止めるを数字から選ぶ
正味時間がプラスで、危険な介入がなく、中断も許容できるなら現在の範囲を続けます。準備や停止対応に一つの大きな原因があるなら、頻度または範囲を狭めてもう一週間だけ測ります。正味時間が戻らず、身体負担も減らないなら、そのミッションを機械へ任せるのを止めても構いません。
消耗品代や電気代まで含めて買い替えを比べる段階では、家庭ロボットの総費用へ数字を渡します。機能が多いことではなく、夕方に残る時間と負担が改善したことを成功条件にします。