初日に動くことと、ナオの家で続くことは別です。一週間の試行では成功回数より、人の準備・救助・手入れが何分戻ったかを測ります。
最初の一週間は「家に合うか」を見る
初回マップができると、すぐ全室や留守中の運転へ広げたくなります。けれども、一週間の試運転で見るのは製品の最高性能ではありません。いつもの床に置かれる物、家族の通り道、助けを求められた回数まで含めて、家の暮らしに合うかを見ます。
まず、ドックから近く、階段・水場・熱源などから離れた一部屋を選びます。床を低い目線から一周して、コード、薄い布、小物などを確認してください。まだ確認していない場合は、先に20分の導入前チェックを行います。危険が疑われる場所は「動くか試す」のではなく、最初から運転範囲の外にします。
Day 0:止め方と戻し方を先にそろえる
動かす前に、製品の取扱説明書を読み、充電・設置・使用禁止場所を確認します。そのうえで、境界や進入禁止区域を設定し、家族が見ている前で停止操作と復帰手順を一度ずつ練習します。アプリを使う人だけでなく、本体しか触らない人も止められる状態が目標です。
「異音がする」「液体へ近づいた」「人や動物と接触しそう」といった場面は、その場で止めて原因を取り除く条件です。翌日に同じ危険を再現して試してはいけません。家族で使う短い言葉と置き場所は、停止ルールの決め方でそろえられます。
毎回、五つの欄だけ記録する
記録は精密な実験ノートでなくてかまいません。次の五つを、1回につき1行で残します。
| 記録欄 | 書くもの |
|---|---|
| 手作業の基準時間 | 同じ範囲を人が行うと何分かかるか |
| 準備 | 床の片づけや設定に使った分数 |
| 機械の運転 | 開始から終了までの分数。人の負担とは分ける |
| 救出・見守り | 呼び戻された時間、停止場所、復帰に使った分数 |
| 終了後 | ごみ捨て、拭き取り、点検などの分数 |
機械が30分動いていても、その間に人が夕食を作れたなら30分すべてが負担ではありません。一方、3回呼ばれて合計10分かかったなら、10分だけでなく作業が分断されたことも短く書きます。停止場所には「机左コード」「窓側の灰色マット」のように、家族が同じ場所を指せる名前を付けます。
Day 1〜7:同じ条件を繰り返してから直す
毎日動かす必要はありません。普段使いたい頻度で、最低3回は観察できるようにします。7日間の目安は次のとおりです。
| 日 | 試すこと |
|---|---|
| Day 1 | いつもの床で動かし、何も直さず基準を記録する |
| Day 2 | 同じ部屋・同じ時間帯で繰り返し、同じ停止が起きるかを見る |
| Day 3 | 危険ではない停止原因を一つだけ直す |
| Day 4 | 直した一条件だけを維持し、効果を確かめる |
| Day 5 | 普段あり得る別の床状態か時間帯を、在宅中に試す |
| Day 6 | 別の家族が停止と復帰を行えるか確かめる |
| Day 7 | 記録を合計し、広げる・狭める・止めるを決める |
コロの「ピ」は、失敗の採点ではなく記録の合図です。一度止まった場所は、次に観察する条件になります。ただし、階段や水、刃物などの危険条件は、確かめるために再現しません。
変えるのは一度に一条件
コードを上げ、マットを外し、設定も変えると、どれが効いたか分からなくなります。危険ではない問題なら、一度に変えるのは物の位置、運転時刻、アプリ設定のどれか一つにします。翌回も同じ条件で動かせたら、直し方を家のルールにします。
メーカーアプリには部屋・区域・進入禁止・ルーティンなどを設定できる例がありますが、機種により使える機能は異なります。アプリの機能は、家の条件を整理した後の補助として使い、機能を全部試すこと自体を目的にしません。
7日目は「正味で戻った時間」で判定する
1回ごとの正味の戻り時間は、次の式で見ます。
正味の戻り時間 = 手作業の基準時間 − 準備 − 救出・見守り − 終了後の手入れ
機械の運転時間は、人が自由に別のことをできたなら差し引きません。付き添って見ていた時間は「救出・見守り」に入れます。手入れの内訳が大きい場合は、一週間の手入れ時間の測り方で、毎回・週1回・不定期に分けてください。
危険停止がなく、正味の戻り時間が複数回プラスで、家族が停止と復帰をできるなら、次は一部屋だけ広げます。原因を直せるものの準備や手入れが重いなら、範囲や頻度を狭めて再計測します。同じ危険停止が起きる、復帰が難しい、正味の時間が戻らない場合は、そこで運転範囲の拡張を止めます。
一週間で留守運転まで進む必要はありません。全自動にならなくても、夕方の負担が安全に少し戻るなら、その範囲を暮らしの実装として残せます。