停止ルールは、便利に使えなかった人を責めるためのものではありません。ナオの家では、誰でも異常を言葉で止められ、大人が安全を確認するまで再開しない流れを先に作ります。
停止ルールは、アプリではなく一枚の紙にする
設定した人が外出していても、家にいる成人が迷わず止められることが第一です。アプリの画面だけに手順を残すと、通信不良、ログアウト、端末の不在で読めません。ドックや保管場所の近くに、次の内容を書いた紙を置きます。
| 停止カードの欄 | 家で書く内容 |
|---|---|
| まず押す場所 | 本体の停止ボタンを写真か図で示す |
| 離すもの | 人、子ども、動物を運転範囲から離す |
| 再開しない条件 | 液体、熱、煙・異臭、巻き込み、落下端、接触など |
| 連絡先 | 設定担当者と、異常時のメーカー窓口 |
| 説明書 | 紙の説明書または公式ページを開く場所 |
ボタンの名称や、停止後に主電源・プラグをどう扱うかは機種で異なります。ここだけは一般的な言葉で埋めず、その製品の取扱説明書を見て書き写します。
止めた人は「原因を直す人」にならなくてよい
家族が覚える順番は、本体で止める→人と動物を離す→原因札を置く→設定担当者へ伝える、です。止まった機械をすぐ持ち上げたり、巻き込まれた物へ手を伸ばしたりする必要はありません。刃やブラシ、熱、液体、破損が関係する場合は、取扱説明書に従い、判断できなければその日は使用を中止します。
リツなら「まず止める。次に離れる。最後に伝える」と三つに分けます。家族全員を修理役にせず、停止までを共通動作にするためです。
赤は中止、黄は担当者が確認する
停止の原因を二種類に分けると、慌てて再開しにくくなります。
| 札 | 例 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 赤:その日は再開しない | 液体、煙・異臭、発熱、破損、人・動物との接触、階段など落下の恐れ | 周囲を離し、説明書とメーカー窓口を確認する |
| 黄:担当者が確認するまで待つ | コード、薄い布、小物、家具の脚、通信切れ、位置ずれ | 原因と停止場所を記録し、設定担当者が範囲を見直す |
赤と黄は製品の警告表示を置き換えるものではありません。説明書が使用中止や点検を指示している場合は、そちらを優先します。屋外で刃や水が関わる機器は、屋外ロボットの非常停止手順を別に用意してください。
止める権限は広く、設定と再開の権限は狭くする
成人は誰でも本体を停止できるようにします。一方、管理者アカウント、運転範囲、予定、カメラや地図の共有は、担当者を一人か二人に絞ります。全員を管理者にすると、誰が境界を変えたか分からなくなり、必要以上に家庭内データを共有することにもなります。
接続機器では、同居人が利用に同意しているか、認証や更新をどう管理するかも確認事項です。カメラ・音声・地図がある場合は、家族のプライバシー合意と一緒に、見る人・保存期間・使わない機能を決めます。
子どもは停止操作の担当にしません。「追いかけない、乗らない、手を入れない。離れて大人を呼ぶ」を年齢に合わせて伝えます。掃除のために家具や家電を動かす日は、普段隠れているコードや洗剤にも手が届きやすくなるため、運転前に子どもの動線をもう一度見ます。
一度だけ、通信なしで実演する
家族がそろう日にアプリを閉じ、次の順で一回だけ練習します。危険を再現する必要はありません。紙札を「黄」にして置くだけで十分です。
- 成人の一人が本体の停止ボタンを押す
- 別の人が子どもや動物を運転範囲から離す役をする
- 停止カードで原因札と連絡先を確認する
- 設定担当者が、取扱説明書を見て再開前確認を読み上げる
誰かが本体の停止位置を探した、説明書を開けなかった、連絡先が分からなかったなら、その場で紙を直します。機種、ドック位置、家具配置、同居人が変わったときにも更新します。
再開は、四つを確認できた担当者だけが行う
再開する前に、担当者が「原因を特定した」「取扱説明書に反しない」「人と動物が範囲外にいる」「境界や床の状態を直した」の四つを確認します。一つでも分からなければ、その日は再開しません。
再開後は在宅で狭い範囲だけを見守り、同じ黄の原因が繰り返すなら範囲を狭めます。一週間の試運転へ戻し、停止場所と救出時間を記録してください。止められることは失敗ではなく、長く使うための最初の機能です。