毎回コードを持ち上げる数分も、ナオの夕方から出ていく家事です。家中を片づけず、経路を横切る一本へ戻らない住所を作ります。
巻き込み対策を、毎回の注意力へ任せない
床を走る機械は、置き方、光、線の細さ、床との色差によって、コードを避けることもブラシへ引くこともあります。細い充電線をわざと残して性能を試すのではなく、床へ戻らない仕組みを先に作ります。
ナオの「床を空にするより、コードが床へ戻らない場所を作るほうが続いた」は、片づけを増やさない考え方です。目標は家中を空にすることではなく、最初に使う一部屋だけ、3分で安全な床へ戻せる状態にすることです。
最初の15分で、床へ来る線を三つに分ける
ロボットと同じ低い目線で一周し、電源コード、延長コード、充電ケーブル、イヤホン、カーテンやブラインドのひもを探します。20分の導入前チェックを済ませている場合は、黄で記録した細い物だけを拾えば十分です。
見つけた線を、次の三つの定位置へ分けます。
| 定位置 | 向いている物 | 戻す状態 |
|---|---|---|
| 壁沿いの配線 | 常時つなぐ電源・通信線 | 通路と運転範囲を横切らず、踏まれない |
| 机下の受け | PCや照明から垂れる余長 | 床より高く、椅子の移動で落ちない |
| 端末の充電棚 | スマホ、イヤホン、小型端末 | ケーブルと端末を一緒に床外へ置く |
延長コードが部屋を横切らないと電源を取れない場所は、無理に固定するより運転区域から外します。カーテンひもは、製品本来の安全な保持方法と高さへ戻します。
固定は「動かない」だけでなく、コードを傷めないこと
固定具を使う場合は、コードを強く挟む、鋭く曲げる、引っ張る、家具脚で踏む状態にしません。NITEは電源コードの過度な屈曲、引っ張り、踏みつけなどが異常発熱や発火につながるおそれを示しています。釘やステープルで電源コードを直接挟むような固定も避けます。
電源タップを家具の裏へ隠した結果、ほこりや変色を見られなくなる配置も続きません。プラグやタップは説明書どおりに使い、点検できる場所を残します。配線工事やコンセントの増設が必要なら、自分で加工せず専門の窓口へ相談します。
運転前は、同じ順路を3分だけ一周する
毎回探す物を増やさず、入口から壁沿い→机下→窓辺→充電棚の順に一周します。見るのは、床へ落ちたコードやひも、小さな玩具、靴下など、巻き込みやすい物だけです。家具を持ち上げたり、別室まで片づけたりはしません。
3分で戻せない日は、その物を放置して運転するのではなく、アプリや物理境界で該当区域を外します。毎回5分、10分と準備が延びるなら、運転範囲が広すぎるか、定位置が使われていないサインです。
家族にも「全部片づけて」ではなく、「充電線は棚、机の線は受け」と場所で伝えます。誰が見ても戻せる定位置になれば、設定者だけの前準備ではなくなります。
傷み・熱・においは、清掃より先に止める
被覆の破れや硬化、プラグの変形・変色、異常な熱、焦げたようなにおい、触れると電源が入ったり切れたりする状態を見つけたら、その機器や配線の使用を中止します。ロボットが通れるように置き直して済ませず、メーカーや販売店など適切な窓口へ相談します。自分でコードをつなぎ直しません。
ロボットがコードを巻き込んで止まった場合も、すぐ引っ張り出して再開しません。本体を説明書どおりに停止し、コードと機械の双方に傷みがないか確認します。再開の判断は家族の停止・再開ルールとそろえ、分からなければその日の運転を止めます。
一週間後は、巻き込み回数より準備時間を見る
初回だけ在宅で一部屋から始め、毎回「準備に何分」「落ちていた場所」「人が助けた時間」を記録します。一週間の試運転で同じ場所に線が落ちるなら、検知設定ではなく定位置または運転区域を一つだけ直します。
一週間後、3分以内に床を戻せ、巻き込みや危険な傷みがなく、家族も同じ場所へ返せるなら現在の範囲を続けます。毎回同じ机下で止まるなら、その場所を除外するか受けの位置を変えます。準備が減らないなら、コードの多い部屋は人が掃除する範囲として残して構いません。
障害物回避は最後の補助です。コード対策の成功は「機械が避けた」ではなく、「床へコードが戻らず、新しい片づけ仕事も増えなかった」で判断します。