吸着と安全索は、どちらか一方で十分な同じ仕組みではありません。ナオは失敗後にも落下を広げない固定と、人が下へ入らない境界を先に作ります。
安全索の前に、その窓で使えるかを判定する
ガラスのひび、濡れ、油分、枠、寸法、障害物、天候を確認し、型番の使用条件に合わない窓を除外します。使えないガラスと枠を分ける台帳を先に作り、安全索が付くことを窓自体の適合証明にしません。
外窓で使えると説明書にある機種でも、指定の安全固定、穏やかな風、雨雪がないことなど条件が付く例があります。高所で身を乗り出さないと装着・回収できない、窓の外側に通行者や隣戸がある、下方を立入禁止にできない場合は使いません。
吸着・電源・安全索・落下区域を四層にする
リツの「吸着は働く仕組み、安全索は失敗した後の境界です」を、四つの欄に分けます。
| 層 | 役割 | 省かない確認 |
|---|---|---|
| 吸着 | 本体をガラス面に保持する | ガラス・パッド・警告・吸着開始 |
| 電源継続 | 運転と吸着へ電力を供給する | 指定アダプター、コード、接続、予備電源の状態 |
| 安全索 | 保持が失敗した後の移動を制限する | 索、縫い目、金具、ロック、指定固定具 |
| 落下区域 | 落下時に人や物へ当てない | 室内外の下方、通行、隣戸、ペット、壊れ物 |
一つが正常でも、ほかを省きません。予備電池は停電時の補助で、安全索の代わりではありません。安全索があっても、人が下にいてよい理由にはなりません。
索の全長と、指定された固定方法を確認する
毎回、索の端から端まで、擦れ、切れ、ほつれ、硬化、縫い目、カラビナやロック、固定具の汚れと損傷を見ます。一部だけを見て「付いている」と判定しません。異常があれば交換・点検まで使用を止めます。
固定は型番の取扱説明書に示された安全ポッド、吸盤、固定具、接続順などをそのまま使います。重い家具、家具の取っ手、カーテンレール、配管など、強度や転倒条件が分からない物を自己流の固定点にしません。索を延長したり、結び目や別の金具を足したりしません。
室内側と屋外側の落下区域を空にする
本体の真下だけでなく、索の長さと本体が振れる範囲を落下区域として考えます。室内側は人、子ども、ペット、家具、家電、壊れ物を移し、屋外側は通行者、車、隣戸、ベランダ、植栽への影響を確認します。
外側の区域を自分で管理できない集合住宅や道路側の窓では、自己判断で運転しません。ベランダと下方の落下区域も参考に、第三者へ影響する窓を除外します。
本体を手で支えたまま、装着・吸着・警告を確認する
指定パッド、液量、電源、索の順序を説明書で確認し、本体を安全に手で保持できる低い位置で装着します。吸着が安定し、警告がなく、索とコードが窓枠や取っ手へ挟まらないことを確認してから手を離します。高所で性能試験を始めません。
運転中は無人にせず、落下区域の外から本体、索、コード、警告、天候を見ます。吸着低下、電源断、異音、索の緩み、雨や風の変化があれば、まず区域へ人を入れず、屋外機器の非常停止へ移ります。
回収してから電源を外す
終了時は本体に安全に手が届く位置へ戻し、手で確保してから説明書の停止・取り外し順に進みます。吸着や電源を先に切って本体を落としたり、安全索や電源コードだけで吊り上げたりしません。
手で安全に確保できない位置で停止した、警告が続く、索やコードが挟まった場合は、身を乗り出して回収しません。下方を閉鎖したままメーカーや適切な専門対応へ渡します。成功条件は「落ちなかった」ではなく、四層を保ったまま人が安全に本体を回収できたことです。